元麻布I邸リノベーションMotoazabu I Apartment

元麻布I邸リノベーションMotoazabu I Apartment

場 所
東京都港区元麻布
築年数
11年
面 積
212㎡(64坪)
総費用
12,000万円(工事費)/2,200万円(家具)/1,800万円(設計料)

エレガントとモダンな二面性のある超高級マンションリノベーション

低層の高級マンションの一室を、エレガントでクラシカルなインテリアが好きな奥さまと、シャープでモダンなデザインが好きなご主人のカップルのためにリノベーションしました。

ちょうどマンションを中古で購入して、これからリノベーションの内容を考えようとのタイミングで奥さまのご妊娠が判ったそうです。お子さまが生まれるまでのタイミングから逆算して、二つのお風呂にまで手を加えると工期が間に合わないとアドバイスをして、それ以外の箇所は全面リノベーションすることになりました。

クローズド型のキッチンでは、リビングダイニングでお子さまを育てる考え方のお二人には、目が届かない箇所ができてしまうので、対面型カウンターでありながら、来客時には二枚の引き戸を閉めることで隠すことができるキッチンをご提案しました。

リビングダイニングは、ダイニングエリアをエレガントに、リビングエリアはモダンにデザインして、その中央に置くグランドピアノで二つの雰囲気の空間を繋げることを考えました。リビング片面の壁はリフォーム前から外壁と同じタイルが張られていましたが、それは残すことになったので、同じ色味ながらテクスチャーの違う、アンティコスタッコの壁とレザー張りの建具を並べています。

大量の本とコレクションでもあるカメラやコーヒー関連の器具類などを並べることができる棚をなるべく多く作って欲しいとのことだったので、パブリック廊下は片面に、プライベート廊下は両面に本棚を並べ、さらに扉で締めることができる通路幅60センチの極細書斎も用意しました。

センチュリーのダイニングテーブル、フィリップ・セルバのダイニングチェア、ミノティのソファにB&Bイタリアのセンターテーブルのコーディネートまでお手伝いしています。

(2018年7月25日更新)

リビングダイニング

正面壁にあった柱型がリビングとダイニングを分断していたので、柱型ごとテレビが目立たないように黒くデザインした造作家具で隠してしまっています。ソファはミノッティで、センターテーブルはB&Bイタリア、ラグは生まれたばかりのお子さまが汚しても良いように、以前寝室で敷かれていたカーペットをラグに加工しています

ダイニングとキッチン

奥さまのテイストで、クラシカルかつエレガントに仕上げたダイニングです。テーブルとチェアも上手くマッチしていますが、一番のアクセントになっているのは、ビジュアル・コンフォートのシェード付きシャンデリアです。

ダイニングとパントリー

キッチンは二枚の扉を開閉することで、キッチンを不意の来客から隠すことが可能です。キッチンとダイニングを繋ぐのは、ワインセラーのあるパントリーコーナーです

ダイニング

アメリカ・センチュリーのダイニングテーブル、イタリアのフィリップ・セルバのダイニングチェア、トゥフェンキアンのラグがクラシカルながら、重たくならずエレガントな食堂を演出してくれています

リビング

以前からのタイル張りのリビング壁を活かし、大型のL字型ソファセットをレイアウトしリビングルーム

キッチン

ダイニングとの仕切り壁を開けた時に、まず最初に目に飛び込んでくる、キッチンのアクセント壁はイタリア・フィアンドレ社の大判タイルです。柄が中央で左右対称になるようにブックマッチで合わせています。白系のタイルの清潔感が映えるように、コンロ側のカウンターとキャビネットはシックに黒で纏めています

パントリー

ご夫婦の共通の趣味であるワインは、このパントリーに日常用で使うワインセラーに保管しています(玄関横の納戸内に、これより大型のワインセラーが2本あります)。ご主人の趣味でもあるコーヒーは、何種類ものコーヒーメーカーをカウンター上に置けるようにスペースを確保しています

主寝室

グレージュトーンに赤紫のカラーをサシ色としてつかったエレガントな寝室です。ベッドのヘドボード側はビニールクロスのパネル張りとして、手許の照明の点灯ができるスイッチとコンセントを用意しています。ベッドサイドのサイドテーブルは、特注でデザインして家具屋に作って貰ったものです。

書斎

カメラのコレクションもお持ちのご主人さまが、お子さまに煩わされずにカメラを触れるように扉が付いた極細の書斎を作っています

洗面所

フレンチシックなイメージで纏めた洗面所は、大理石(ビアンコ・ブロイエ)のカウンターと塗装で框仕様の扉の組み合わせとなっています。洗面カウンターのデザイン的に中央をへこませて、クラシカルな様相としています、水栓金物とメッキ色を合わせた取っ手を選んでいます。奥にある乳白ガラスで仕切られた部分にはトイレがあります

来客用トイレ

キッチンで使った大判大理石調タイルの残りを、この来客用トイレの壁と床に転用しています

玄関ホール

正面向かって左側の壁は既存のタイル。これに色を合せながら質感を変えていった玄関ホールの仕上げ材は、床はライムストーン、壁は輝きのあるアンティコスタッコで、正面の扉は人工レザーを使っています

両側に本棚のある廊下の本棚

とにかく本のコレクションが多いご主人のための本棚です。パブリック廊下には片側だけですが、折れ曲がった先のプライベート廊下は両側が本棚になっています

書庫廊下

廊下の本棚と建具は全て仕上げ材とディテールを共通させて、一体に感じるようにデザインしています

ダイニングの窓フレーム

大きく2つの開き方で開閉が可能なダイニングの扉は、外すことができない面倒な存在でした。壁全体に幅木と縦横の框を入れて、更に窓手前には何も張っていない木フレームの扉を入れることで、スケールダウンを図っています

レザー張りの建具

玄関ホールとリビングダイニングを繋ぐ扉は、人工レザーと木で仕上げたハイエンドな扉です。フロアヒンジで納め、両袖は透明ガスで仕上げています

リビングダイニング

モダンテイストのリビング空間と、エレガントテイストのダイニング空間は、中央に置かれたスタインウェイのグランドピアノをっ介して繋がっている

リフォーム前のリビングダイニング

リフォームの調査のために、すでに壁や天井の一部が解体された状態ですが、リフォーム前のリビングダイニング空間は白くてノッペリとして家具をどこに置けばよいのかも見当がつかないようなスペースでした。

キッチンから見たダイニング

キッチンのシンク型カウンターは開閉式の扉を開けることで、大きくダイニング側に開きます。動線としては、正面突き当りのパントリーコーナーを経てダイニングへと繋がっています