六本木ヒルズT邸リノベーションRoppongi Hills T Apartment

六本木ヒルズT邸リノベーションRoppongi Hills T Apartment

場 所
東京都港区六本木ヒルズレジデンス
築年数
10年
面 積
115㎡(35坪)

総費用
4.200万円(工事費)/800万円(家具)/650万円(設計料)

NYのロフトをイメージした六本木ヒルズの隠れ家

六本木ヒルズレジデンス高層棟専有部のリノベーションです。
ニューヨークのロフトやSOHO(ソーホー)をイメージしたハードでスタイリッシュな空間にしたいとのリクエストをいただき、全面的にリノベーションしました。

リノベーション前は2LDKだった間取りを、約50㎡(30畳)の大型リビングダイニング+書斎と仕事場を兼ねた小部屋+寝室に作り変えました。キッチンの位置と洗面室・浴室の位置を交換して寝室からの利便性を向上させています。

リビングダイニングと書斎の間仕切りに特注のスチール製サッシを使ってインダストリアル(工業的)な雰囲気を作り出しました。また、それぞれがリビングに面しているミニバーとキッチンは建具を一体で作り、閉じたときに大きなパネルに見えるようにデザインしています。

リノベーションの建築工事のみならず、ソファ、ダイニングの家具、カーテン・ブラインド類のコーディネート、さらにアートや調度品のセレクションまでまかせていただきました。

(2019年9月12日更新)

リビングダイニング

フラットな天井と床、枠をすべて消し去った壁と開口、その奥に見えるスチールサッシが印象的なシンプルながらハードでスタイリッシュな空間です

リビングダイニング南面の壁

左側のダイニングエリアは灰色の珪藻土を塗った壁が空間を色付けます。中央のリビングエリアは右に見えるスチールサッシが空間を特徴付けます。カッシーナのダイニングテーブルとチェア、アルフレックスのソファ、ミノッティのサイドテーブル、すべて高級輸入家具を採用しています

リビングダイニング北面の壁

正面のグリーングレーの扉がキッチンとミニバーの建具です。その左が壁埋め込みテレビとオーディオ収納、向かって右の扉から玄関ホールへと続きます

キッチン&ミニバーの建具詳細

4枚の板がワンセットに見えるパネルは、キッチンへの入り口とミニバーを隠す建具になっています。左の2枚は開いて引き込むとワインセラーとミニシンクが組み込まれたミニバーが現れます。右端の建具を開くとキッチンへ繋がります。パネル右側のニッチにインターホンとルートロンの照明スイッチなど猥雑になりがちなスイッチ類をきれいに納めています

リビング越しに見たダイニング

ダイニング正面の壁は全面珪藻土塗りとして、床埋め込みのアッパーライトで照らしています。長さ4.3メートルのダイニングテーブルが小さく見えます

リビングの家具・調度品

アルフレックス・セブンサロッティの赤茶の皮張りソファ、ミノッティの黒いサイドテーブル、カッシーナの照明がシックにマッチングしています

リノベーション前のリビング

ガタガタの壁面線と変形の折り上げ天井が特徴的な、家具レイアウトに困る空間でした。六本木ヒルズという名称から連想されるようなスタイリッシュさがまったく感じられない住宅でした

リビングから見た書斎

ダークグレーの鋼製サッシ越しに覗いた書斎です。窓の形に合わせたウォールナットの造作家具と照明がリビングダイニングと空間の様相を変えています。正面左のバルコニーもスチールサッシにしたため外部が室内に取り込まれたかのような錯覚を覚えます

書斎内部

仕事部屋を兼ねたスタディルームです。鋼製サッシの手前に天井に隠れる木製ブラインドを仕込んでいるのでプライバシーの確保も可能です。中央の「く」の字型の書斎机は特注品です

鋼製サッシ

左のLDKと右の書斎をこの鋼製サッシが間仕切ります。天井にはLEDライン照明を仕込んでいるため夜はサッシが浮かんで見えます

書斎内部(昼間の様子)

一人での仕事や読書から、3人程度の打ち合わせにまで使える便利なワークスペースです。右側のガラス棚にはコレクションのアンティークギターが飾られる予定です

ウッドブラインドを閉めた書斎

書斎のスチールサッシ内側には、木製ブラインドを仕込んでいるので、その開閉で書斎内部への視線をコントロールすることが可能です

リビング壁面

リビング壁面には廊下からの建具、キッチンとミニバーコーナーの扉、TV収納と色々な建築要素が並んでいますが、すべてがフラットに納まるようにディテールを注意深く検討しています

寝室

正面扉の奥が洗面室と浴室。右側の大型扉は引戸で、開くと大型のクローゼットが現れます

リノベーション前の寝室

竣工後に一度リフォームされた寝室です。しかし、仕上げ材料の組み合わせがバラバラで迷路のように入り組んだスッキリしない空間でした

洗面室・浴室

ビルトインタイプの洗濯乾燥機(ミーレ社)を組み込んだ洗面カウンターの奥に、ステンレスフレームとガラスで縁取られた特注ユニットバスが見えます。洗面背部には十分な収納が設けられています

来客用トイレ

玄関横にあるトイレです。リノベーション前のレイアウトと同じ位置ですが、建具と洗面カウンターと鏡はすべて交換しています

玄関ホール

左右に大型収納を設けた玄関ホールです。正面の白い鋼製サッシ越しにダイニングが見えます。右側の収納、姿見の鏡、トイレの建具はすべてフラットに納めています

廊下から見たリビングダイニングの鋼製サッシ

玄関から廊下を経てリビングダイニングに入る手前の白い建具も特注の鋼製サッシです。左面に続く左官壁とアッパーライトの列の中で建具が浮かんでいるように見えます

鋼製サッシのディテール

鋼製の各パイプとフラットバーを組み合わせた特注の鋼製サッシの詳細です

リノベーション前後の平面図


寝室と廊下をリビングダイニングに取り込み、出っ張っていた空間を書斎に変更しました。キッチンと洗面室・浴室の位置を交換して(キッチンユニットはリノベーション前のものを再活用)、余った空間をリビングから使えるミニバーにしています。すべての壁面線を揃えて枠なしの建具で繋ぎ、シンプルな空間構成にリノベーションしました