白金台P邸リフォームShirokanedai P Apartment

白金台P邸リフォームShirokanedai P Apartment

場 所
東京都港区白金台
築年数
30年
面 積
183㎡(55坪)
総費用
3,200万円(工事費)/250万円(設計料)

ヴィンテージマンションのポテンシャルを塗装で引き出したクラシカル・インテリア

高級ヴィンテージマンションの空間のおおらかさ、廊下の幅の広さや建具の作りの良さを再利用しながら、水回り以外はあまり大きく手を入れずにリフォームした事例です。

都心には珍しく、公園に面したリビングのバルコニー側窓からは、樹木と緑しか見えない絶好のロケーションのお部屋です。リビングのインテリアでは、大きく張り出したバルコニーに対して、大きなガラス面のある南面開口から余計なデザインを取り払うことに専念しました。窓上の梁型のラインが見えないようにカーブで梁を隠し、どうしても必要となる網戸は、サッシ手前に木製の方立(ホウダテ)を立てて、そこにプリーツ網戸を埋め込んでいます。カーテンやレースを引いた時にも窓側が演出できるように間接照明を仕込んでいます。壁据付け型だったエアコンは、部屋中央の梁型にあわせた下がり天井部分にカセット式エアコンを埋め込んでいます。柱型横には柱を取り込む形で大きな造作の飾り棚をデザインしました。

玄関ホールから廊下に掛けては、深い掘り込みの入った建具は枚数も多く、造作家具の扉ともデザインがマッチしていたので、これらを全て塗装工場に引き取って、一度塗装を薬剤で落とした上で、木目を残したセミ・オープンポアの黒色仕上げに再塗装して貰いました。廊下のリズムに合わせて、ブラケット照明を壁に付けて、フローリングもボーダー張りに変えています。

デザインが古さを感じさせていた水回りは、大理石調タイルとクォーツストーンをふんだんに使って、床下の隠れた個所の配管更新も含めて、全面的に作り直しています。

(2017年8月1日更新)

リビングダイニング 

正面の造作収納の左側が従来からあったRC造の柱型です。エアコンを下がり天井に移動することで使えるようになった柱の横のスペースは柱と一体で造作家具のようにデザインしています

リビングダイニング-2

リビングダイニングの南面に大きなバルコニーとその先に公演の緑が繋がる、都心とは思えない恵まれた環境。この素晴らしい景観を活かすために、アルミサッシのアルミ材やプリーツ網戸は木製の方立で隠し、上部の梁型もR天井で隠している

バルコニー

公演の緑と自然光をふんだんに享受できる最高のバルコニー。樹脂製のウッドデッキを全面に敷いています

リビングダイニング-3

下がり天井には間接照明を仕込み、照明の具合でリビングとダイニングをエリア分けしています

ダイニング飾り棚

景観と正反対の位置にあるダイニング壁に、デザイン的なアクセントを付け加えるために、ユニークな形状の飾り棚をデザインしました。天板は最高級大理石のポルトロ、扉の面材は廊下の扉に合わせて、黒のセミオープンポア仕上げ、独特の形状の台輪としています

廊下

玄関入って正面に見える個室は、ここだけモダンに見えるように透明ガラスの扉としました。玄関から直行できる場所なので、書斎としても使えるデザインを心掛けました

玄関ホール

一連で繋がる建具とベンチ、造作収納は基本的にリフォーム前の構成を活かして、建具の塗装で空間のイメージを刷新しています

玄関ホールと廊下

廊下の幅の広さを感じやすいように、床フローリングはボーダー張りとして、黒い扉の収納の反対側の壁にはブラケット照明をリズムよく配置しています

リフォーム前の玄関ホールと廊下

靴収納扉はきちんとデザインされていながら、ヴィンテージ感の演出不足で、廊下の幅の広さもあまり活かされていない空間でした

洗面と浴室

レイアウトも、床下の配管も全て一新した洗面と浴室とトイレです。家族で使うこの水回りは、敢えてヴィンテージ感は出さずに、スタイリッシュなイメージで纏めています

来客用トイレ

廊下から直に繋がる来客用トイレは、廊下の黒い扉やヴィンテージ感を引き継いだインテリアとしています