一番町Y邸リフォームIchibancho Y Apartment

一番町Y邸リフォームIchibancho Y Apartment

場 所
東京都千代田区一番町
築年数
31年
面 積
180㎡(54坪)
総費用
3,400万円(工事費)/300万円(家具)/500万円(設計料)

ダークでシックで濃密なマンションインテリア

築29年で、180平米のホーマットシリーズマンションのLDKと水回りと玄関を中心に転売用に仕上げたスケルトンリノベーション事例です。

広すぎるLDは天井に白い帯状のパネルを通し、境界を曖昧にするとともに、そのままキッチンのレンジフード前のガラス壁と背面の冷蔵庫置き場へと延ばし、LDK全体をデザイン的に繋げています。ペニンシュラ(半島)型に壁から出っ張ったキッチンは、前面に人造石とカラーガラスの目隠し壁を設けて、使い勝手も向上させた。二つの窓が並んだ外壁面は、木製枠を窓から延長した中にウォールナット羽目板を張って、アクセントとしています。壁に使った5種類のクロスは、単調にならないように縦や横の目地を通したパネル張りとしています。

玄関は壁面に造作収納を設け、ガラス扉と床の大理石調タイルと併せて、スタイリッシュな空間に仕上げました。リフォーム前は一体型だった浴室とトイレと洗面は、奥の寝室の半分を使ってレイアウトを変更して、それぞれに余裕のあるハイグレードな水回り空間へとリノベーションしています。

転売用ではありますが、オーナーと不動産仲介のプロの設計者で、居住者を想定した思い切ったデザインのリノベーションに挑戦しました。販売用の家具・ラグ・カーテンや調度品までスタイリングさせて貰いました。

(2017年7月23日更新)

リビングダイニング

灰色とブラウン色の濃淡、それらを映えさせるための一部の白をべーすとし、そこにウォールナット材の木目やカラーガラスを加えて、インテリア空間を構成しています

リビングダイニング2

マンションならではコーナーのRCの柱型は、造作収納で隠しています。単調になりがちなリビングの壁は、横目地を切って二色のクロスで張り分け、TVボードを設置した壁には大理石調タイルを張っています

リビングダイニング3

天井の白い帯は、リビングスペースとダイニングスペースの干渉帯となっています。その帯が、キッチンへと伸びて、レンジ―フードと冷蔵庫置き場の幅を規定しています

リビングダイニング4

ツヤのある素材(大理石調タイルやカラーガラス、透明ガラスの建具やミラー)とツヤのない素材(フローリングやクロス仕上げの壁と天井)を全体で2:8程度にレイアウトすることで、高級感がありながら、派手過ぎないインテリアを目指しました

リフォーム前のリビングダイニング

ライトグレーのカーペットに白を基調としたインテリアは、ヴィンテージマンションらしさも、高級マンションらしさも感じられない状況でした

リビングのコーナーのディテール

リビングとダイニングのコーナーは、天井の白い塗装パネルの帯だけでなく、コーナーの造作収納のディテールにも注意を払ってデザインしました。角がシャープにみえるように鋭角に切ったコーナーに造作の飾り棚を設置し、キッチンのレンジフードをカバーする透明ガラスからの輝きをダイニング側の壁まで延長しています

天井の塗装パネルとキッチンの取り合い

ダイニングとリビングの天井を仕切る白い帯は、レンジフードと奥の冷蔵庫の幅と合わせ、天井の精密なデザインで空間を再構成しています

玄関ホール

元々が玄関扉とリビングへの入り口の位置関係が変則的だったので、玄関にはタタキと框を設けず、フラットに大理石調タイルで仕上げ、ラグを置くことで沓脱線を規定することを考えました。暗くなりがちな玄関ホールを明るくするために、リビングとは透明ガラスの建具と袖壁で仕切っています

洗面所

廊下から一段床を上げた洗面所は、ダブルシンクの洗面カウンターと大容量のメディスンキャビネットを設けています

浴室

ハーフユニットバスを使って、洗面床とフラットに仕上げた浴室は、腰壁に2種類の大理石調タイルを使っています。浴室への入り口は最新の高級マンションにひけを取らないように、鏡面仕上げのステンレスと強化ガラスとして、広さを演出しています

リビングダイニング5

すべての照明器具をオフにして撮影したリビングダイニングです。壁や天井のラインがきれいに揃うことで、不思議な遠近感がうまれました