赤坂M邸リフォームAkasaka M Apartment

赤坂M邸リフォームAkasaka M Apartment

場 所
東京都港区赤坂
築年数
3年
面 積
122㎡(37坪)
総費用
1,500万円(工事費)/200万円(設計料)

築浅マンションのお化粧リフォーム

港区赤坂の閑静な台地に建つ築浅マンションの内装リフォームです。

賃貸用につくられたマンションが分譲されたもので、リフォーム前の仕上げ材はグレードが低く白くノッペリとした印象でした。そこで、コストパーフォーマンスを第一条件に使えるものは再利用しながら、仕上げ材や建具を交換し、設備もグレードアップさせていきました。

築浅のマンションだからこそ、リフォームにも独特のメリットもあることが分かりました。以下、完成後にお施主様からいただいたコメントです。


現地の仕上げを見ても、どこからどこまでが旧でどこからが新だか分かりませんね。これは解体を含めて丁寧に工事をしていただいたおかげと、設計・デザインの段階で既存との調整や統一性に配慮していただいたおかげだと思っています。

築古のリフォームはスケルトンにして総取替えで思い切ったことができます。ただし、部分的なリフォームを築古でやると、使用感のある箇所とリフォーム部分の落差がどうしても出てしまいますね。一方、築浅や新築であれば部分的なリフォームであっても 上手くやれば非常に効果が高いことがわかりました。

築浅・新築のリフォームは資源を無駄にしているのではないかという引っかかりがありましたが、意匠面を含め手を加えたい部分に限定したリフォームにより全体が格段に良くなるので費用対効果が極めて高い手法だと思います。新築リフォームは設備を一度も使わずに捨てるという側面では無駄ですが、これから20年・30年そこで暮らすことを考えると決して無駄ではなく、非常にいいお金の使い方だと実感しました。

<素材リスト>
・家具扉:チーク柾目突板CL仕上げ
・石張り壁:ライムストーン(モカクリーム)
・玄関石張り床&飾り棚甲板:大理石(ケベックカルニコ)
・洗面床:タイル(セラミカマーブル)
・ガラス取手:南部鉄チャコール仕上げ
・ガラス丁番:TTS-5009(綱島製作所)

(2013年4月4日更新)

リビングダイニング

リフォーム前は全体的に白く、ベッタり・ノッペリしたイメージの空間でした。リビングの正面壁にはライムストーンを、ダイニングの壁にはアクセントクロスを張り、メリハリと共に正面性を設けました

夜のリビング

高層マンションの中層階からの景色を邪魔しない、節度あるインテリアを目指しました。ライムストーンも水磨きと本磨きの2種類、幅もサイズを変えて光の反射の違いを楽しめるデザインとしています

夜のリビングダイニング

石張り壁は壁に沿ってウォールウォッシャーのダウンライトを配灯して夜景を意識したデザインにしました。照明計画も家具のレイアウトを想定してレイアウトし直しました

玄関ホールからリビングを望む

正面右手の壁とL字に繋がったリビング壁をライムストーン張りに張り替え、扉も袖壁付きのテンパーガラス扉に変更しました。硬質でグレード感が感じられる空間です

リビングから玄関ホールを見返す

白と濃灰の大理石・チーク材の扉を使った硬質な玄関ホールが見えます。柔らかいライムストーンと既存フローリングのリビングを繋ぐのはテンパーガラスの扉です

ライムストーン張りの壁とガラス扉

ランダムな縞模様のラインストーン壁と、手作りで質感のある南部鉄仕上げの取手がアクセントとなったガラス扉

玄関ホールの床

タタキ部分は既存の白い大理石をそのまま再利用して高級感を感じさせるホールに変身させました

玄関ホールの床のディテール

既存の白大理石、張り替えたケベックカルニコ水磨きの石張り、新しい大理石の幅木、アクセントクロスの取り合い部分です

玄関ホールの収納棚

既存の収納棚の内部を活かし、扉材をチーク練付け扉に交換し、収納の一部を削って飾り棚としました

玄関収納のディテール

チークは縦目のチーク柾目、飾り棚の甲板はケベックカルニコの実本磨き仕上げとしています

リフォーム前の玄関ホール

白い空間で正面性や奥行き感、陰影を感じさせないノッペリとした空間でした

洗面室


リフォーム前は洗面と一体だったトイレは写真左手の扉を設けてその奥に置きました。床材は塩ビタイルから大型の焼き物タイルに張り替え、照明も再レイアウトしています

リフォーム後の平面図

大きな間取り変更は行わず、細かい収納の使い勝手の変更だけに留めました。仕上げ材の取り合いと照明のマッチングに注意を払ったコストパーフォーマンス重視のリフォーム計画です