高輪M邸リノベーションTakanawa M Apartment

高輪M邸リノベーションTakanawa M Apartment

場 所
東京都港区高輪
築年数
2年
面 積
220㎡(67坪)
総費用
15,000万円(工事費)/2,500万円(家具)/2,500万円(設計料)

すべての素材にこだわり抜いた最高級リフォーム

高層マンションの上層階、220㎡超の内装をスケルトンから作り替えたプロジェクトです。すべてに本物・無垢の素材をふんだんに使ったクラシカルで重厚感のあるインテリアになりました。

約60㎡の変形リビングダイニングは、壁のデザインと天井のデザインを変化させながらリラックスする空間と食事をする空間に分けました。床は無垢ローズウッドのヘリングボーン(矢羽)張り、壁はウォールナットの羽目板、建具は無垢ウォールナットの框扉で仕上げています。

モールディングや折り上げ天井、シャンデリアや間接照明で心地よい雰囲気をつくり出し、広さと最高級家具(ドレクスラー社製)に負けない空間にしました。ダイニングにはキュリオコレクションケース(骨董品ケースを転じてコレクション展示棚のこと)をウォールナットのパネル壁に埋め込んでいます。

キッチンはステンレスと黒御影石でシャープで重厚な仕上がりに。手前にはパントリー収納を設け、間接照明とノングレア照明で空間を演出しています。書斎は英国フォロー&ボール社の赤色塗装と造作収納で構成しました。寝室には吸音効果のある緞子張りをベッドのヘッドボードに採用しています。

浴室はステンレス枠のガラスサッシと黒色の石、ジャグジーバスでラクジュアリーな仕上がり。 玄関ホールと廊下はボーダー付きの大理石とウォールナット無垢材の腰壁で仕上げ、天井はダブルアーチをモチーフとした豪華な空間です。

和室は特別に雪見障子を入れた内路地(通り庭)をつくり、一度室外を通って入るような仕上げとしています。食堂の隠し扉を開け、一度外を経由して入るようなイメージです。内路地には木曾石を中心に靴脱石から縁石、飛石、滝石、手燭台をレイアウトして雰囲気を出しました。小上りの踏み込みには栗のナグリ材を床板として使用し、屋根は杮葺きとしました。正面の壁には金箔を廻し貼りしたニッチをつくっています。

和室本体は客間と仏間の中間のイメージで纏めています。床柱に120ミリ角の鉄刀木(タガヤサン)の無垢材を使い、ご仏壇を柿渋で染めた襖扉の中に安置しています。押入れの襖は少し格式を下げて百花を銀で押した襖としました。内路地と和室の間には格子戸を設けています。

(2017年12月28日更新)

50㎡超(約35畳)のリビング

天井のデザインでダイニングとリビングを区切っています

リビングのテレビコーナー

リビングのテレビコーナーはローズウッドのバックパネルに間接照明を利かし、左右のスピーカーを入れた収納も同材でつくっています

リビングから望むダイニング

ウォールナットの羽目板壁に扉が隠されています。向かって左端の扉はキッチンへ、右端の扉は和室へと繋がっています。ダイニングテーブル正面にキュリオ(円形の高級飾り棚)が壁に埋め込まれています

ダイニング

ウォールナットの羽目板壁と天井のリブで重厚なデザインとしました

夜、ダイニングから望むリビング

テレビの背面にローズウッドの羽目板、右手にホールが見えます

リフォーム前のリビング

全体的に軽いデザインで空間の広さや家具のクオリティに釣り合っていませんでした

玄関ホール

ダブルアーチをデザインモチーフとしたギャラリー的空間です

リフォーム前の玄関ホール

高級な素材を使っていながら纏まりのない空間でした

廊下

大理石張りの廊下にも重厚な腰壁をまわしています

廊下のコーナー

お施主様所有の家具をすべて採寸し、きっちりと収まるように配置まで計画しました

玄関ホール・廊下の詳細

ウォールナットの無垢材をふんだんに使ったディテールです。建具の框、腰壁の装飾ともに無垢材を使用しています

キッチン

ステンレスと黒御影石を使ったモダンでシャープなキッチンです

洗面室・浴室

ステンレスとガラス、石で構成された透明感のある洗面室です

浴室とシャワーコーナー

浴槽はジャクソン社のジャグジーバスタブ、右のシャワーコーナーにはグローエ社のアクアタワーを設置しています

リフォーム前の浴室

ユニット製で開放感に乏しく、洗面室との繋がりもありませんでした

書斎

印象的な赤の塗装で仕上げた書斎です。お施主様のご趣味のDVDを豊富に収納できる造作家具を造り付けています

寝室

緞子(ドンス)貼りを利用し、デザイン的にも機能的にも静かで落ち着く空間としました

ウォークインクローゼット

十分な収納量のウォークインクローゼットです。他の部屋と色調を合わせてナラの突板で仕上げました

リフォーム前後の平面図

間取りが大きく変わったのは浴室、洗面室、和室のみですが、仕上げ材はほぼすべてリフレッシュして内装もグレードアップしています

四畳半の和室

わずか四畳半ですが、内路地を経てのアプローチや床の仕上げや高低差などにより他の部屋から隔絶された静かで独特な空間になっています

格子戸を閉めた様子

格子戸越しに内路地が見え、その外に雪見障子があり、奥深さを感じさせる仕組みとなっています

内路地(通り庭)

わざと床を落とし、路地状に飛石を配置することで、他の空間からの距離感を演出しています。屋根付きの小入口を設けることで、格式の上がった和室であることを意識させる配置計画です

内路地の飛石

奥の靴脱ぎは木曾石、二本流した縁石は御影のビシャン仕上げで、間に滝石を詰めています

小玄関の床の詳細

ナグリの栗板を使った床から、やはりナグリの楢無垢の柱を立てています。内路地の石の素材感にあわせ、ザックリした仕上げ感を持った素材で外部の感覚を演出しています

押入れ襖の詳細

特注で和紙屋さんにつくってもらった襖紙。銀で百花を散らした模様です

床柱の詳細

鉄刀木(タガヤサン)の120ミリ角の床柱。仏壇入れの襖は柿渋で染めた紙に桐の紋を金で打った柄として格式を上げています

格子戸の詳細


2種の素材、2種の寸法で組んだ格子戸です。外側から見ると細く見えるのに、内側からはしっかりと見えるデザインです

リフォーム前の和室

和洋折衷で使い勝手が曖昧な空間でした。直接外部のサッシに面していたので、奥まった感覚のない開けっぴろげな和室でした

リフォーム前後の和室の平面図

以前は窓に面していましたがアプローチが細く暗い廊下でした。リフォーム後はダイニングのコーナーに隠された扉を開けると、段差が取られた通り土間があり、一度外部を通ったイメージで和室の小玄関にたどり着きます。広さは以前の六畳から四畳半と狭くなりましたが、その分通り土間や床の間が充実しています