- 場 所
- 東京都渋谷区
- 築年数
- 30年
- 面 積
- 180㎡(54坪)
- 総費用
- ー
渋谷区Q邸リノベーションShibuyaku Q Apartment
渋谷区Q邸リノベーションShibuyaku Q Apartment
こだわり素材の質感と色に包まれた住まい
これまでご家族とともに暮らしてきたお住まいを、ご夫妻ふたりのこれからの暮らしに合わせてフルリノベーションしたプロジェクトです。お子さまたちの独立を機に、必要以上の部屋数や間仕切りを削ぎ落とし、料理や収納、リビングでのくつろぎといった「これから楽しみたい時間」に空間を再構成し生まれ変わらせました。
建物は1990年代初頭にゆとりある敷地に建てられた、低層のヴィンテージマンション。隠蔽された設備類にも丁寧に手を入れ、目に見えない部分も含めて住まい全体をアップデートしています。
プランの中心となったのは、かつて壁で閉じられていたキッチンの刷新です。既存のクローズド・キッチンは、リビングとダイニングの一体感を損なっていたため、お二人が交互に入って調理して食べることができるオープンキッチンへと変更。とはいえ、すべてを見せるのではなく、家電や冷蔵庫、収納などは適度に視線を遮ることで、美しい生活の舞台裏を静かに包み込むように設計しました。料理好きのご夫妻が並んで立てる大型キッチンは、機能性と存在感を兼ね備えた住まいの中心です。
リビングダイニングキッチンには、空間の重心としてバイオエタノール暖炉と壁掛けテレビを組み合わせた造作壁を設け、視覚的な焦点とくつろぎの拠点を演出しました。広さを活かして、リビングの一角にはワインセラーコーナーや小さな書斎コーナーをレイアウト。オープンな一室空間でありながら、暮らしの場面ごとに異なる居心地が感じられるよう配慮しています。
素材や色は、ナチュラルで落ち着いたトーンで統一。床には厚突のヘリンボーンフローリング、造作収納にはオーク材、ファブリックにはリネンなどの自然素材を多く用いて、手触りと光のニュアンスを大切にしました。ご夫妻のこれからの時間が心地よく流れていくよう、機能性と感性が調和する住まいを目指しています。
都市の中にありながら、ゆったりとした余白と静けさを感じられるこの空間は、新しい暮らしのリズムをやさしく受け止める、整えられた「第二のスタート」の場となるはずです。
(2024年9月21日更新)

リビングダイニングキッチン-1
リビングエリアとダイニングエリアが緩く区切られた間取りのLDKは、くびれ部分にこのお宅の象徴ともいえる米オエタノール暖炉とマントルピースを設け、アイストップとしています

リビングダイニングキッチン-2
暖炉とテレビを設置した壁に正対するようにレイアウトしたお手持ちのソファ。その後背部には飾り棚も兼ねた書斎コーナーを設けました

リビングダイニングキッチン-3
特注のフローリングに板張りの壁、左官仕事のマントルピース、加工大理石に大理石柄の大判タイルと質感の強い素材を組み合わせたインテリアとなっています

リビングダイニングキッチン-4
キッチンのオープンカウンターをからはLDKのすべてが見渡せる位置関係になっています

ダイニング
L字型の窓からマンション敷地内の緑が見えるダイニングエリアです。天井を折り上げて床のへリングボーンに合わせた突板を張ることで、明るく開放感がある空間になりました

ダイニングキッチン
ダイニングからキッチン、奥のパントリー&ユーティリティーへと連続的に繋がっています

キッチンダイニングのビフォー&アフター
リノベーション前は、キッチンの壁があることで、リビングとダイニングが分節されてしまっていましたが、キッチンをオープンにすることで、視線が通り開放的にリビングとダイニングが繋がりました

キッチン&リビング
キッチンは、ユーティリティーとパントリーの引き戸を開けると、玄関ホールまで直線で繋がり、キッチンカウンターからはリビングの奥まで視線が通ります

玄関ホール-1
玄関入って右側はベンチを中央に挟んで左右に収納を設けています。全体を木製のフレームで囲み取ることで、大きな家具に見えるように工夫しています

玄関ホール-2
渋谷区Q邸のデザインモチーフともなっているフレームデザインを玄関の姿見にも使っています。お客さまが選んでくださった黒のジノサルファッティのペンダント照明ともマッチしています

主寝室-1
青をアクセントカラーとした主寝室です。アンティコスタッコ左官の壁面とお手持ちのアート、新しくご購入したベッドとリネンもブルーで統一しています

主寝室とウォークインクローゼット
主寝室からウォークインクローゼットは引き戸で連結されています

ウォークインクローゼット
ご夫妻の服を左右の壁面システムに分けて収納できる大型ワンルーム型のワードローブとなっています

洗面・シャワー
主寝室奥に設けた洗面、シャワー、トイレ、ドレッサースペースです。黒い鉄フレームのデザインでキリっと引き締まった空間となりました

洗面脱衣
主寝室奥の水回りには浴室を設けなかったので、ご自宅に戻ったお子さまたちも使える位置にファミリー用の洗面脱衣と浴室を設けました

主寝室
明るいベージュ調の大理石柄タイルに鋼製ホーローの真っ白い浴槽を配した明るく広い浴室です

来客用トイレ
隠し扉の奥に設けたコンパクトな来客用トイレにもデザインモチーフの黒いフレームの鏡を入れました

廊下
プライベート廊下からリビング方向を見返した写真です。リビングからの光と雰囲気が伝わる様に周囲だけ透明ガラスにしたFIXの窓となっています。向かって左側は鉄扉のついた設備スペースですが、鉄扉の上からパネルを張ることで存在を隠しています

リビングの鉄製フレーム扉
向かって左が廊下からリビングダイニングへと入る特注の鉄フレーム扉、右側がプライベート廊下への明り取りのFIX窓となっています。素材感のある空間を、強いデザインモチーフの扉が引き締めてくれています

リビングの書斎コーナー
リフォーム前は壁でふさがれていた空間にL字型のテーブルと飾り棚を設けて、在宅時の仕事コーナーとして使えるミニ書斎としています。下部には将来的に掃除ロボのルンバを収納できる基地も設けています

素材感のあるフローリング
5種類ほどサンプルを作って貰ってから決めた、へリングボーンスタイルの特注フローリングです。浮造り加工と砥の粉を使用し、古くから使われてきた様相を持たせています

板張り壁と大理石カウンターの取り合い
オープンキッチンから伸びてきた大理石カウンターを飾り棚を通り越して、リビングの壁まで伸ばしすことで、カウンターの長さが際立つと共に、キッチン壁に埋め込まれているかのように見せています