CONCEPTコンセプト

私が建築・リノベーションの実務を修業したニューヨークでは、歴史ある古いマンションを購入し、自分好みにリフォームして暮らすことがニューヨーカーたちの憧れでした。
なかでも「プレ・ウォー(pre-war)」と呼ばれる第二次世界大戦以前に建てられたマンションは、その購入自体がある種のステータスシンボルとされていました。それらのマンションが「高級」なのは、地価の高いマンハッタン中心部という立地だけが理由ではありません。マンションも含めた地域全体が積み重ねてきた歴史や文化、そこに住まってきた人々の足跡が幾重にも重なり、美しく織り込まれたストーリーとして、ある種の格式をも備えながらハイクラスな場を醸成していったのです。

マンションのリフォーム&リノベーションにも同じことが言えます。
誰もが「高級」と感じる上質なマンションリフォームには、住まい手の生き方そのものに呼応したオリジナルなストーリーが織り込まれています。
空間、素材、家具、調度品、アート、色彩……。住まい手のライフスタイルを主旋律に、複数のパートが美しく響きあうリフォームこそ、真にプレミアムなリフォーム、上質なリフォームと呼べるのではないでしょうか。高価な素材の組み合わせだけが高級感を醸し出すわけではないのです。そのようなプレミアムリフォームを実現するのは、なによりも「時間」です。クライアントの皆様と将来の住空間のあり方について語り合い、考え、ときには一緒に悩んだりする濃密な打ち合わせの時間こそ、最上のリフォームに近づくための絶対条件です。
一つのプロジェクト案件にじっくりと時間をかけ、お客様が本当に望まれるデザインテイストを見つけ出し、心の底から納得されるまで何度もプランを提案していく。それが、カガミ建築計画の方法論、私たちの考えるプレミアムリフォームのつくり方です。

マンションという住居形態は、空間の広さや天井の高さ、窓のサイズや構造躯体から生じる凹凸など、あらかじめ数多くの制約にしばられています。しかし、だからこそ可能になる空間特性に満ちあふれた場ともいえます。
マンションに暮らすという生き方が積極的に肯定されるような住空間づくりを目指して。
近い将来、みなさまにお会いできる日を楽しみにしております。

カガミ建築計画株式会社
代表取締役 各務謙司

Before & After

1 白金台S邸  豊富な蔵書がアカデミックな雰囲気を漂わせるシンプルモダン

Before

全体にガラス窓とガラス製建具が多く、細かく仕切られているために家具のレイアウトに困る空間でした(リノベーション前のリビング)

After

リビングダイニング

幅広のオークフローリングとオフホワイトの塗装に造作家具だけのシンプルな空間にしました

2 六本木T邸  NYのロフトをイメージした大人の隠れ家

Before

ガタガタの壁面線と変形の折り上げ天井が特徴的な、家具レイアウトに困る空間でした(リノベーション前のリビング)

After

リビングダイニング

フラットな天井と床、枠をすべて消し去った壁と開口、その奥に見えるスチールサッシが印象的なシンプルながらハードでスタイリッシュな空間にしました

3 麻布MT邸  公園の緑を望む色彩豊かなアジアンテイスト

Before

ごらんのように全体的に素っ気ないデザインでした(リフォーム前のリビング)

After

リビング

大柄なアジアンテイストの家具が似合う、ゆったりとしたリビングとしました

4 南平台N邸  シックでダークな空間を突板と大理石でリッチにまとめる

Before

すでに一度リフォームされていたリビング。黒い床大理石のシックな雰囲気に比べると、造作収納や既存建具のチープさが目立ちました(リフォーム前のリビング)

After

ダイニングとリビング

カラーガラス+突板(つきいた)+白大理石で囲まれたシックでダークなダイニング。自然光が明るいリビングと対比をなします

5 代官山T邸  ハード&クールなスタイルを象徴する「グラスルーチェ」

Before

高級感があるロビーなどの共用部に比べて、華やかさが圧倒的に欠けていたリビングダイニグ。白基調でまったくメリハリを感じさせないインテリアでした(リフォーム前のリビング)

After

ダイニングから見たリビング

ベランダ側の鬱蒼とした緑が見えるリビングダイニング空間。家具やアート類はすべてこの空間のために選びました

ページトップへ戻る